国際交流
2019年度 フランスコース 

室原彩子さん(法学部4年)

 フランスを訪問する今回のインターンシップでは、南仏のプロヴァンス地方と、パリを訪問しました。

 プロヴァンス地方では、熊本大学と提携を結んでいるエクス‐マルセイユ大学でプレゼンテーションを行いました。熊本県や熊本大学の紹介をして親交を深めた後、『日本の就職活動のあり方』について発表しました。日仏の就職活動の違いや、最近話題となっている、個性を押し殺した就活スタイルの是非について、フランスの学生とディスカッションすることができました。フランスの制度と比較しながら意見を交わすことで、新しい視点を知る事ができ、勉強になりました。

 また、エクス‐マルセイユ大学では、沢山の友人をつくることができ、毎晩食事を共にしながら、フランス語や英語、日本語を交えて様々な話をしました。私達が去る際には互いに涙を流すほどの友人となれ、帰国した今でもメッセージのやり取りを続けています。

 私達が三日間滞在したエクサンプロヴァンス市は、熊本市と交流都市協定を結んでおり、熊本市にゆかりのある能楽師の狩野氏が寄贈した能楽堂の見学にも行きました。国外で唯一の能楽堂だそうです。フランスで日本文化が好意的に受け入れられている様子は、今回の研修の様々な場面で感じることができました。

海外インターンシップ室原さん01
(エクサンプロヴァンス市の能楽堂にて)

 同じくプロヴァンス地方のマルセイユでは、思いがけない出来事に出会いました。市役所の前で住民のデモに遭遇したのです。最近、フランスでデモ活動が活発になっているのは知っていましたが、実際に大規模なデモを目にしたのは初めてでした。これをきっかけに、自分たちで実際に声をあげ、行動に移すことで政治を変えていこうとする動きが最近の日本ではあまり見られない事に気づき、日本人の政治的活動の在り方について興味を持ちました。帰国してから私は、このとき持った疑問について卒業論文に書いています。このように、座学では気づけないことに気づけることも、海外研修ならではの魅力だと思います。

海外インターンシップ室原さん02
(マルセイユ市役所)

 最後に訪れたパリでは、CLAIR(自治体国際化協会)という組織を訪問し、フランスの地方自治制度についてお話を聞かせていただきました。フランスの地方自治制度を詳しく学ぶのは初めてでしたが、日本の制度と比較しながら疑問に思ったこと等を色々と質問させていただきました。来年の春から地方公務員になる私にとってとても興味深い内容ばかりで、フランスの地方自治について知ると同時に、日本の地方自治の在り方を再度見つめ直すきっかけとなりました。また、CLAIRは、熊本市など全国の自治体から出向してきた職員の方々で構成されていることを知り、私もいつか外国で地方自治に触れる仕事がしてみたいと思いました。

 今回の海外インターンシップで学んだ事や様々な経験、得た将来のビジョンを基に、来年から社会人として活躍していきたいです。