学生リレーエッセイ

2012.10.11  <刑法ゼミ生>

 高校生の頃、化学の先生が黒板を示しながらこう言いました。「皆さんにはこれがどう見えますか? 私には分子の集まりに見えます。化学を学べば、皆さんにも分子が見えるようになりますよ」
 残念ながら、私は分子が見える境地まで到達することはできませんでしたが、何かを究めていくと、世界の見方が変わるのだろうということを学びました。
 さて、大学で何かを究める場と言えば、真っ先に挙げられるのが「ゼミ」です。現在、S先生率いる刑法ゼミには16人の4年生が所属し、活気ある議論を行っています。ゼミとしては大所帯ですが、敬愛する先生を筆頭に、常に和気藹々としています。
 刑法の楽しみ方は様々です。議論で得られる達成感を楽しみにしている人や、学んだ知識を使ってドラマや小説の事件に当てはめてみる人、人の生死を扱う刑法から哲学に思いを馳せる人......こうして自分なりの楽しみ方を見つけることができたのは、ゼミで、仲間とのやりとりを通じて刑法への理解を深められたからです。
 今、みなさんにはどんな世界が見えていますか?刑法を通して見る世界も、なかなか面白いですよ。