教員リレーエッセイ

2011.08.03  <教員 HY>

 入学を希望し、あるいは検討しておられる皆さん、ようこそ熊大法学部教員リレー・エッセー・コーナーへ。
 あなたに熊本大学法学部の一教員であるHY(自然法論者)からちょっと肩の凝る話をしましょう。
 大学は、歴史的に誕生して幾つもの試練を乗り越えて発展を遂げてきた人類の貴重な遺産のうちの一つの具体的形態です。しかし、それでも、人間によって営まれる制度すべてについて言えることですが、良いところもあれば悪いところもあり、伸ばすべきところ改善すべきところ、いろいろと含んだ制度であり、場所です。しかし、一つはっきりしている。それは、あなたがここ熊大法学部に遣って来て、あなたの隠し持っている大切な宝である能力を発揮するための機会を与えることを通じて、あなたが現実的に成長することを支援するということ。しかし、それが実を結ぶためにはあなたにそれ相応の努力を要求します。もちろんHYも他の教員もそのために力を尽くします。そのお役に立てるよう、日夜研究に打ち込み、教員同士の切磋琢磨を志しそれに努め[そうでなければ、学部の堕落です]、様々な講義科目や演習を提供しています。
 大学が生きるか死ぬか、成長するか衰亡するか、それは教員団が研究する意思・学ぶ意思・教える意思を強烈に有して、それを実践することが出来るか否かに懸かっています。それと全く同様に、大学が大学として充実するか空疎化するか、それは大学で学ぶ学生諸君の生き方に懸かっています。ですから、あなたに申し上げましょう。
 大学で、自己を鍛えて磨き上げていくのだという決意を先ずもつこと、内心にこの大望を描いて誓うこと、これが一番大事じゃないでしょうか。それがあれば、そしてその決意が揺るぎないものであり続けることによって、その決意を実践することによって、あなたに大きな将来が拓かれていきます。
 努力を払い続けるあなたが近い将来熊大法学部に入学なさることを心から期待しております。