学生リレーエッセイ

2013.02.14  <Yゼミ>

 現在、私は経済学のゼミに所属しています。前期には全員で本を読み、そこから生まれた疑問を解決したり著者の考え方を理解したりするために議論を行いました。最近は他大学との合同発表会に向けて自分たちでテーマ設定を行い、それについての情報収集と分析を行う作業をグループごとに行っています。
 ゼミでは頻繁に議論を行うのですが、私はそれがとても好きです。自分の意見や考えは、多くの情報の中から必要なものを取捨選択し、それらを相互に関連付けるというプロセスを繰り返すなかで生まれてくるものです。自分の考えはこのように苦労して得られたものですから、大切にしまっておきたくなるのですが、自分の考えにもしかしたら誤りが含まれているかもしれません。だからこそ自分の意見や考えは包み隠さず人前で表明することで、他の誰かに点検してもらう必要があるのです。また他の人の意見を聴くことで、自分の意見の間違いや他の人との考え方の違いに気づくことも出来ます。私はこのような点にこそ議論の素晴らしさがあるように思います。
 私たちのゼミに限らず、大学生になるとレポート作成や議論を行うことが多くなります。つまり自らの意見や考えを外部に発信する機会が増えるということです。これは高校までの学習と大きく違う点だと思います。高校までは、一つまたは複数の正解や問題の解き方を覚えることが多いのに対して、大学では、高校までの学び方ではあまり必要のなかった自分の考えというものが求められるようになります。このため、さまざまな考え方に触れたり自分の考え方を見つめおしたりする機会も自然と多くなります。私たちは複数ある選択肢から、自分にとっての答えを自分の意思によって選び取ることで行動しています。そう考えると、議論を重視する大学の学びは、私たちが社会生活を送るうえでとても有意義なものであるように思います。